4枚目「gossypium arboreum」

gossypium arboreum

gossypium arboreum、別名:ナンキンワタ(南京綿)、繊維長:1cm〜2cm、花色:黄,クリーム(中央は紫、或いは赤)、葉の形:掌形(裂片の先に丸みがある)

・南アジアに起源を持ち、古くは12世紀頃、東南アジアの国ベトナムからその栽培法が中国へと伝わる

gossypium arboreumの名の由来

“arbo”という言葉はラテン語で「木」を意味し、和名”キダチワタ”や英名”tree cotton”に見られるように、この種はその身体を樹木の様に成長させる。

ナンキンワタの名の由来

16世紀、景徳鎮が栄えた明王朝の時代、当時の皇帝朱棣(しゅてい)は首都を北京に遷し、居城があった土地の名を「南京」へと改めた。

栽培が盛んに行われた長江の下流地域は当時の居城付近、つまり南京周辺に位置し、綿織物は戦国末期の日本へ、”南京綿”として伝来した。

繊維の長さが意味するもの

綿花は過度のストレスに晒されることで繊維の長さが短くなる。

gossypium herbaceumは大陸の北方、または西方の乾燥地帯へ、それに対し、この綿花種は東方、南アジアから東アジアにかけて、それぞれ分布している。

そして、gossypium arboreumはインド、ベトナムのサバナ気候、中国の温帯夏雨気候といった、夏に多くの雨が降る気候を持つ土地に広がっている。

花の色が意味するもの

「青々とした緑」

その昔、緑は青の一部だった。

赤、緑、青、三色ある錐体細胞。

その中でも赤、そして緑の識別能力を発達させてきた我々人類。

対する昆虫達は4種類目の錐体細胞、すなわち紫外線を識別する光受容体を発達させてきた。

彼らは紫外線が表す色、gossypium arboreumが持つ短波長の花の色の中心へ導かれる。

葉の形が意味するもの

この綿花種が生息する土地は、湿気と多くの雨が降る熱帯の土地。

そのため雨が降った際、真菌感染から身を守れるよう、葉は水を排出するために発達した構造を呈する。

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